秋田県の共同研究のご提案

秋田竿燈まつりにおけるプレパレーションスペースの都市的配置構成の研究— 秋田竿燈まつりの準備空間を活用した新しい観光まちおこし —

公開日 2023-12-19
大分類 その他 中分類 情報・通信・経済・経営・政策・法律・土木・建築・社会・文化・教育 小分類 -
研究者

助教 鎌田 光明

所属

秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 土木・建築系

 秋田竿燈まつりは、300年近い歴史を持つ秋田の文化を代表する行事であり、毎年8月初旬には多くの人々がその祭りの鑑賞に訪れる。現状、竿燈を楽しむ観光客にとって、年に1回のイベントが竿燈を鑑賞し触れあえる大きな機会と言える。


 しかしながら、実際に竿燈を上げている「差し手」や太鼓や笛で音を奏でる「お囃子」の方々は数ヵ月前から本番に向けて練習し、それと並行し祭りに必要な準備も行っている。このような祭りの準備の光景は町内や企業ごとで行われ、その周辺に生活する住民にとって、竿燈の練習風景やお囃子の奏でる音景が生活の一部となっており、準備空間そのものが秋田市の文化と言える。


 本研究では、この様な祭りの本部や竿等の道具の保管場所、練習場所等の準備空間を総称して、プレパレーションスペースと定義し、各町内の準備空間の都市的な分布を調査する。また、練習空間の使い方や竿の保管場の配置構成、お囃子の音色が満たす都市的な範囲(Soundscape) を明らかにし、秋田の文化を象徴する竿燈まつりを空間的な側面からアーカイブし、分析する。


 以上の研究を通して、竿燈のプレパレーションスペース自体をオープンにすることで、竿燈文化を保存しつつ、次の100年まで続くような収益性のある全く新しい観光資源の提案を行う。具体的には、専用アプリを通して、祭りの練習に観光客や一般の人々が入り一緒に練習体験しやすくするシステムを構築する。さらに、プレパレーションスペースでの各種体験や祭りの準備に一般の人々が関わり、共に祭を作り上げて行くことによる新たなコミュニティーの形成と、周辺飲食店のクーポンの発券、まち歩きによるにぎわいの創出等の持続可能な事業スキームの構築を行う。


 一連の研究や提案に関しての自治体との連携、観光やアプリ関係の企業との連携を通して、インバウンドの獲得や竿燈のさらなる発展と人材確保、伝統継承の一助となることを願う。

 

研究者

秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 土木・建築系 助教 鎌田 光明                                               

 

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp