秋田県の共同研究のご提案

電界制御技術とCMP技術を融合した新しい研磨技術の開発

公開日 2023-12-19
大分類 ナノ・材料・ものづくり 中分類 素材・機械 小分類 -
研究者

教授 池田 洋

所属

秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 機械系

 最近の世界的な省エネルギー気運の高まりなどで電力制御や変換技術の高度化に対する要求は年々高まり、パワー半導体の高性能化・高効率化が求められている。現在の半導体の基板材料はシリコンが主流となっているが、パワー半導体においては、大きなワイドギャップを持つSiC(炭化ケイ素)などが注目され徐々に実用化されている。


 しかしながら、これらの材料は高硬度かつ高い化学安定性を示すことから難加工材料として知られ、基板加工プロセスに膨大な時間を要す。中でも最終仕上げとして高品位な面が得られるCMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスでは加工に長時間を要し、量産化、汎用化、そしてウェハー大口径化へのボトルネックの一つとなっている。CMPは砥粒を懸濁させたスラリーをポリシングパッドと工作物との間に供与し回転相対運動を通して砥粒による機械的除去作用、そして、砥粒、工作物、スラリー溶媒との化学的除去作用、これら2つの作用によって研磨が進展する、いわゆる遊離砥粒研磨技術を基本原理としている。


 したがって、回転運動にともなう遠心力によってスラリーが研磨領域外へ飛散し、スラリーに内在する砥粒が研磨領域内においてその分布が偏在し、研磨効率が低下する。このことが前述した通り多くの加工時間を必要とする原因となっており、難加工性材料の研磨に適用した場合、著しく加工速度を低下させることになる。


 このような背景から、次世代高効率CMP技術の確立を目指して、電界を援用した研磨技術を開発しており、表面品位を維持しつつ研磨速度を向上させる「電界スラリー制御技術」を最初にガラス基板を対象に提案してきた。現在は、難加工材料をターゲットに、まずはSiC基板の高効率CMPの実現に向け開発を進めている。本研究に関する企業との共同研究、研究会への参加を希望する。

 

研究者

秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 機械系 教授 池田 洋                                               

 

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp