硬質セラミックスの焼結技術
公開日 |
2022-04-27
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大分類 |
ナノ・材料・ものづくり |
中分類 |
粉末冶金 |
小分類 |
- |
研究者 |
《研究代表者》主任研究員 関根 崇
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所属 |
秋田県産業技術センター 先端機能素子開発部 機能性材料・デバイスグループ
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自動車や宇宙・航空機や産業機械の発展に伴い、それらの機器を構成する部材が高強度で高機能になっています。このため、これらの部材を加工する工具材料には、高い硬さやヤング率、耐食性、耐熱性、優れた熱伝導率等の性質が求められています。これらの性質を満たす材料は、高速かつ高精密な加工が求められる切削工具や金型、耐摩耗部材等の材料として活用されます。
当研究グループでは、これまでに硬質炭化物粉末を焼結した硬質セラミックスの開発に取り組んできました。原料粉末は炭化タングステン(WC)や炭化チタン(TiC)等の硬質炭化物を用いますが、難焼結性であるために緻密に焼結することが困難です。緻密な焼結は、優れた機械的性質を得るために必須となり、一般的に金属バインダーを添加して焼結されますが、バインダーの添加により機械的性質や耐食性が低下してします。
このため、我々はバインダーを添加せずに緻密な硬質セラミックスを焼結することを検討してきました。その結果、これまでにWCやTiCと炭化ケイ素(SiC)を複合化し、通電加圧焼結をすることで、機械的性質に優れた緻密な硬質セラミックスを得ることができました。図1、2に得られた研究成果の例を示します。これらの材料は、非常に高い硬さや強度を持ち、構造部材において新たな材料として応用することが期待できます。
近年では、熱伝導率や高温強度が高い窒化物を主原料とした材料の研究や応用技術に取り組んでいます。また、保有する評価技術(硬さ、割れ・欠損の生じ難さの尺度となる破壊靭性値、化学成分分析、組織観察等)を活用し、各種特性に優れたセラミックスの研究開発を進めています。
これらの技術に関心のある企業との共同研究を希望します。
研究者
秋田県産業技術センター 先端機能素子開発部 機能性材料・デバイスグループ 主任研究員 関根 崇
秋田県産業技術センター 企画事業部 部長 菅原 靖
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問い合わせ先
秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp