秋田県の共同研究のご提案

スマートフォンに適したCAPTCHA

公開日 2018-03-20
大分類 情報通信技術 中分類 情報・通信 小分類 -
研究者

教授 
山村 明弘

所属

秋田大学大学院理工学研究科数理・電気電子情報学専攻

 スマートフォンの普及に伴い,スマートフォンからのネットワークサービスの利用も一般的となり,SNS,ネットショッピング,オンラインゲームなど,ユーザ登録が必要なサービスが多数存在する.ユーザ登録サイトでは,不正にアカウントを取得され,スパムメール送信などに悪用される可能性があり,その対策を施す必要がある.そのためCAPTCHA(反転チューリングテスト)技術が提案・開発され,多くのサイトで利用されている.従来のCAPTCHAはPC利用を想定しており,変形した英数字の文字列を表示し,その文字列を応答させることで,ユーザが自動プログラムではなく人間である事を検証する.スマートフォンでCAPTCHA回答を行うと(図1参照),表示画像は小さく,また,小さなソフトウェアキーボードの操作性も低く,ユーザ登録で利用を断念し,サービス普及の妨げとなる恐れがある.

 そこで,スマートフォン利用時のCAPTCHAの回答を向上するために,スマートフォンの特徴であるタッチパネルの特性を生かした「一筆書きCAPTCHA手法」を提案・開発した.問題画像として,タッチパネルに一筆書き文字画像を表示し,文字の線上をなぞることで認証を行う方式である.図2のように、タッチパネル全体に一筆書き出来る文字線画像(「e」,「s」など)を表示する.ユーザが文字画像の線上を忠実になぞればユーザを人間として「受理」し,ドラッグの軌跡が線上から外れたり途切れた場合には「拒絶」し,人間の操作とは認めない.スマートフォンでの操作性の向上を確認できた.
 

 本手法はスマートフォンを通したCAPTCHAの回答の操作性・安全性に寄与する.操作性の低いソフトウェアキーボードによる入力から脱却し,多くの人に利用してもらえると考えている.本技術に関心をもつ企業からの問い合わせを期待し,企業との共同研究を希望する.

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク事務局
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp