レーザ焼入れ技術の開発とレーザ熱処理条件の最適化
公開日 |
2024-01-30
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大分類 |
ナノ・材料・ものづくり |
中分類 |
熱処理・粉末冶金・プレス加工・金型・溶接 |
小分類 |
- |
研究者 |
《研究代表者》研究員 瀧田 敦子
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所属 |
秋田県産業技術センター素形材開発部 加工技術グループ
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金属部品の部分的な強度を確保するため一部の表面のみを加熱、急冷し硬化させる部分焼入れ処理が行われています。一般的な部分焼入れは高周波焼入れであり、単純形状の部品に有効です。レーザ焼入れはレーザ径程度の細かい場所の部分加熱ができ、複雑形状部品にも適用可能です。非加熱部が冷媒となり、レーザで加熱された表面部を急冷する自己冷却により焼入れ層が得られます。表面層が硬く、内部に靱性を持たせることで衝撃や摩耗に強い部品となります。
これまでレーザ焼入れは自己冷却が効きやすい大型・中型の構造部品に適用されてきましたが、弊所では小型、薄型部品、小径部品のレーザ焼入れ、レーザ熱処理技術の開発に取り組んできました。小径複雑形状の自動車部品に対して取り組んだ事例では、必要部分に高周波焼入れと同等の強度が得られました。また、インライン化しやすい技術であり、共同研究先ではこれまで外注していた部分熱処理を内製化することも検討しています。
レーザ熱処理条件はワークの材質、形状によって決まり、同じワーク内でも処理対象箇所で条件が異なります。これまでに取り組んだ事例では、電気炉による熱処理条件をベースにトライアンドエラーでレーザの照射温度や照射時間などの条件出しを行っており、レーザ熱処理条件の最適化には時間がかかります。
本研究では、数値シミュレーションを用いた条件出しの簡略化に取り組んでいます。新しい条件出しフローの確立には多くのレーザ熱処理事例が必要です。多種材質や形状のレーザ熱処理事例を蓄積するため、企業との共同研究を希望します。調質されたワーク・部品の表面一部分だけ硬さを変えたい、金属部品の部分的な摩耗に困っている等課題があれば、レーザ熱処理の条件出しからレーザ照射方法までを一緒に検討することができます。ぜひご相談ください。
研究者
秋田県産業技術センター 素形材開発部 加工技術グループ 研究員 瀧田 敦子
秋田県産業技術センター 共同研究推進部 シニア研究員 木村 光彦
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問い合わせ先
秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp