秋田県の共同研究のご提案

低温プラズマを利用する殺菌処理技術

公開日 2020-04-24
大分類 グリーンイノベーション・ナノ・材料・ものづくり・ナチュラルイノベーション 中分類 農林水産・食品・環境・資源・エネルギー・素材 小分類 -
研究者

教授 
杉本 尚哉

所属

秋田県立大学 システム科学技術学部 機械工学科

 この研究室では、低温プラズマによる殺菌処理技術について研究を行っている。プラズマはイオンと電子、中性ガスで構成されているが、低温プラズマではプラズマ中のイオンや中性ガスの温度は室温に近く、それに比べて電子の温度は非常に高い状態にある。このことから、低温プラズマを利用するとモノ自体には影響を及ぼすことなく、モノの表面に付着している微生物体にのみ作用して処理することが可能となる。研究室では、「低圧力下での高周波放電プラズマ」と「大気圧下での低周波放電プラズマ」の、殺菌効果に関する研究を行っている。低圧力下での高周波放電プラズマは、石英ガラス管内にプラズマ生成用ガスを導入し、0.1パスカルほどの圧力下で周囲に配置したコイルアンテナに、周波数13.56メガヘルツ、最大で200ワットの高周波電力を印加することにより、プラズマを生成する。これまでの研究で、図1に示すように、医療用滅菌器の滅菌保証用指標体である、Geobacillus stearothermophilusの胞子を内包したバイオロジカルインジケーター(Log10N=4)を、高周波放電で発生させた窒素プラズマ中に曝露した後に培養実験を行い、滅菌効果が得られることを確認している。一方、大気圧下での低周波放電プラズマは、直径5ミリのガラス管にプラズマ生成用ガスとして主にヘリウムを導入し、ガラス管外部の電極と内部のメッシュ電極との間に周波数が10キロヘルツ程度の低周波電力を印加して図2のようなプラズマジェットを生成し、処理物に照射する。こちらも、前述のバイオロジカルインジケーターや培養した納豆菌への照射実験により殺菌効果を確認している。

 この技術は、特に農林水産業や食品加工業への応用が期待され、具体的な適用可能例を探索中である。関連分野への応用に関心のある企業との共同研究を希望する。 

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
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