秋田県の共同研究のご提案

低真空中のアーク陰極点の特性を利用する表面処理技術

公開日 2020-04-24
大分類 グリーンイノベーション・ナノ・材料・ものづくり・ナチュラルイノベーション 中分類 環境・資源・エネルギー・素材 小分類 -
研究者

教授
杉本 尚哉

所属

秋田県立大学 システム科学技術学部 機械工学科

  この研究室では、低真空中のアーク放電による金属表面酸化膜除去処理時の陰極点挙動と電極間に発生するプラズマについて、研究を行っている。10パスカル程度の圧力下でのアーク放電では、図1に示すように陰極上に発生する陰極点と呼ばれる微小領域に放電電流が集中し、その陰極点が陰極表面上を移動する。この特性を利用して金属表層の酸化膜の除去処理を行う技術に関して、現在エネルギー効率向上などを目指して基礎研究を行っている。これまでの研究では、金属表面の酸化膜層の他、機械油・加工油や塗装膜のような有機物質も除去可能であることや、それらの物質を分解しながら除去すること、平板に限らず図2のように円筒管の内壁など様々な形態のものへの応用が可能なこと、グラファイトのような非金属の導電性物質でも適用可能であることを確認してきた。
 陰極点直下では急加熱により陰極表層の溶融・蒸発が起こり、液滴や蒸気として放電空間中に放出され、一部は放電電流により電離しプラズマとなる。これらの現象を利用して、放電空間中に設置した基板表面上への、昇華あるいは蒸発した陰極材料の蒸着による物理的成膜や、特定のガスを導入してプラズマ化した雰囲気中での反応性成膜への応用が考えられる。一方、陰極表面に有害廃棄物が付着している場合にそれを分解し除去するなどの応用へも利用が期待できる。また、陰極点通過後は温度の急降下による陰極表層の固化が起こることから、陰極材の表面改質にも応用できる。
 本技術の応用に興味のある企業との共同研究を希望する。

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp