秋田県の共同研究のご提案

板状部材を用いた小型超音波モータ

公開日 2018-03-20
大分類 ナノ・材料・ものづくり 中分類 機械 小分類 -
研究者

《研究代表者》
教授 
長縄 明大

所属

秋田大学大学院理工学研究科システムデザイン工学専攻

  超音波モータは,圧電素子で発生する超音波領域の振動を,ステータとの接触摩擦で物体に伝達して駆動するアクチュエータです.超音波モータは,その構造から進行波型や定在波型,インパクト駆動型に分類され,用途により使い分けがされています.この中でインパクト駆動型は,小型化しやすいためカメラのオートフォーカスやXYステージなどに利用されており,高度情報化社会における様々な小型機器内で用いられるアクチュエータとしてのニーズが期待されています.

  本研究では,圧電素子と板状部材を組み合わせた小型モータを開発しました.その構成は,振動の発生源であるステータと摩擦接触により駆動されるロータからなり,試作したモータの大きさは全長が2.67mm,高さが2.5mmですが,加工技術を高めることによりさらに小型化することができます.圧電素子は,印加された電圧により伸縮しますが,本モータではゆっくり伸ばして急速に縮ませることにより反時計回りへ,また急速に伸ばしてゆっくり縮ませることにより時計回りへ回転させることができます.先行技術に比べますと,一つの素子で双方向へ物体を駆動することができるのが特徴です.また,回転トルクと回転速度の大きさは,トレードオフの関係にありますが,板状部材の押し付け力を調整することにより目的に応じた使い分けでき,この特徴がモータを小型化できた要因になっています.なお,試作したのはロータを回すモータですが,ロータの代わりに左右方向へ直線運動するスライダも駆動することができます.

  本モータは,様々な用途に使うことができると考えており,実用化を目指しておりますので,興味を持たれた企業との共同研究を希望しております.

研究者

秋田大学大学院工学資源学研究科 機械工学専攻 教授 長縄 明大
秋田大学理工学部 システムデザイン工学科機械工学コース 技術職員 小松 和三

 

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
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