秋田県の共同研究のご提案

液晶を用いた配光制御デバイス

公開日 2016-09-07
大分類 ナノ・材料・ものづくり 中分類 情報・通信・エレクトロ二クス 小分類 -
研究者

《研究代表者》上席研究員 内田 勝

所属

秋田県産業技術センター 先端機能素子開発部 機能性材料・デバイスグループ

 液晶レンズは、機械的駆動部を持たず、3Vrms程度で駆動できる焦点可変レンズであることから小型撮像デバイスへの応用・搭載が検討されています。我々の研究グループでは、液晶レンズの応用分野の開拓として、レンズ径が数百μm以下の“液晶マイクロレンズ”による新しい光学デバイスの開発を進めています。ここで紹介するのは、液晶シリンドリカルレンズアレイによって試作された、照明光等の配光特性を可変制御するデバイスです。これまでに光偏向(曲げる)として角度26度、光拡散(広げる)として±26度まで変化させることが出来ています。


 この配光制御デバイスは、図1のように、液晶層を2つの透明電極が挟んだ構造になっている。その特徴は、櫛歯状電極(VA, VB)と、透明な高抵抗膜からなる電極構造にあります。各電極に印加する電圧を制御することにより、その電界分布で液晶分子を配向させ、プリズムの様な屈折率勾配を形成することで、デバイスを透過する光を曲げることができます。


 図2は、配光制御デバイスをLED照明装置の出射端に装着した例である。デバイスを駆動しない場合、素通しの状態(スポット光)であるのに対して、デバイスに電圧を加えて駆動することでスポット光が一方向へ偏向した状態となります。また電極エリア内で互いに逆方向に駆動する部分を設けてやることで、大きく光が広がった拡散の状態を得ることが出来ています。このように駆動条件の切り替えのみで、スポット光/偏向/拡散と配光状態を変えることが可能な光制御デバイスが構築できるので、照明の演出や光センサーとの組み合わせによる高機能化への応用が期待されます。また、液晶マイクロレンズアレイにおいても光制御デバイスの他、複眼イメージングによる計測システムへの応用などを検討しています。


 これらの技術の用途開拓と実用化に向けて、企業との共同研究を希望します。

 

研究者                                                   

秋田県産業技術センター 先端機能素子開発部 機能性材料・デバイスグループ 上席研究員 内田 勝
秋田県産業技術センター 電子光応用開発部  部長 梁瀬 智

 

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