秋田県の共同研究のご提案

金属吸着能を有する修飾シクロデキストリンポリマーの研究開発

公開日 2020-04-24
大分類 グリーンイノベーション・ナノ・材料・ものづくり 中分類 環境・資源・エネルギー・素材・基礎科学 小分類 -
研究者

准教授 
近藤 良彦

所属

秋田大学 大学院理工学研究科 生命科学専攻

 シクロデキストリン(CD)は代表的な包接化合物の一つであり、他の有機化合物をその空孔内に閉じ込め(包接)、有機化合物の安定化や水への可溶化などを付与することが知られ、薬や食品に多く利用されています。また、水溶性の高いCDをポリマー化すると水溶性が抑えられる特性については古くから知られております。

 

 私どもは、このシクロデキストリンポリマー(CDP)に金属吸着特性を付与できればオリジナルな新規金属吸着材料が開発できると考え、二つの手法により研究を行っております。一つはCDに他の無機材料を混合し、ポリマー化する手法、もう一つはCDに金属親和性官能基を導入した、修飾CDをポリマー化する手法です。

 

 無機材料の珪藻土とCDを混合し、ポリマー化しハイブリッドポリマーは様々な金属イオンの吸着能を示しました。図1に、様々な混合比(β-CD:珪藻土=1:0.5~5)のハイブリッドポリマー、比較としてCDだけのビーズ状ポリマー(β-CDP)、珪藻土のセシウムイオン吸着特性を示します。CDをハイブリッド化することで珪藻土やCD単体よりも、金属吸着能が著しく上昇することが示唆されました。

 また、CDに官能基を修飾した例として、エチレンジアミン(EDA)あるいはベンジルチオ基(Benzyl)を修飾したβ-CD(図2)をポリマー化し、水銀イオンに対する吸着実験を行いました(図3)。比較として図1に示したβ-CDPと珪藻土のほかに珪藻土含有β-CDP(1:1)も示しましたが、EDA β-CDPはおよそ80%もの顕著な水銀イオン吸着能を示しました。これら一連の結果から考察すると、CDに適切な官能基を修飾し、ポリマー化すると金属吸着能が向上し、さらに様々な金属に対する選択性が付与できると思われます。

 

 本研究内容に関心を持つ企業との共同研究を希望しております。

 

研究者

秋田大学 大学院理工学研究科 生命科学専攻

 

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問い合わせ先

秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp