公開日 | 2020-04-24 | ||||
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大分類 | グリーンイノベーション | 中分類 | 環境・資源・エネルギー・素材 | 小分類 | - |
研究者 |
《研究代表者》 |
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所属 |
秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 |
化石燃料の大量消費によって大気中のCO2濃度は増加の一途をたどり、地球温暖化による酷暑や台風などの過酷な気象現象の引き金となっています。CO2を多量に排出する火力発電所では、ボイラーからの排ガスのCO2を回収しているが、回収されたCO2は利用されることなく大部分が貯留されており、その処理と活用が最大の問題となっています。
そこで、CO2を飽和させたH2SO4水溶液に電流を流すことによってCO2を還元する「電解還元」に着目しました。Ptは、従来用いられてきたCu電極よりも非常に少ない電力でCO2を還元できることが報告されているが、反応速度が充分ではなく、処理できるCO2量が少ないという問題点があります。しかしながら、我々は電極にPt酸化物を用いると、Ptよりも多くのCO2を還元できることを発見しました。また、CO2電解還元反応の主な生成物は、化学原料として有用なメタノールであることを確認しました。
今後は、実用化に向けて、カーボンなどの高比表面積を有する担体に担持した微粉末のPt酸化物を作製し、「Pt酸化物電極を用いたCO2電解還元システム」の有用性の実証を目指しますが、本システムの有用性を実証するには、様々な技術が必要となります。CO2削減に関心を持つ企業や貴金属酸化物微粉末の合成、電解槽関連の技術を有する企業からの問い合わせを期待しています。
秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 講師 高橋 弘樹
秋田大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 教授 田口 正美
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