食品の隠れた機能性を探索する
公開日 |
2020-04-24
|
大分類 |
ライフイノベーション・ナノ・材料・ものづくり |
中分類 |
農林水産・食品 |
小分類 |
- |
研究者 |
《研究代表者》主任研究員 佐々木 玲
|
所属 |
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 食品生物機能グループ
|
秋田県総合食品研究センターの当グループでは、食品を摂取した際の効果を簡便に評価できるヒト臨床試験システムを構築しました。本システムは、主に感覚や感情の強度を評価する際に用いられるVAS (visual analog scale) 法を用いて食品を摂取した際の実感を数値化し、さらに統計科学的手法により精査・解析することで食品の摂取効果を推定する手法です。
VAS法とは、“非常に悪い”、“非常に良い”といった対照的な評価を両端に記した100 mmのスケール上に、試験参加者が感じた程度を縦線等でマークする方法であり、機能性食品の分野においても個人の感覚によるところが大きい目の疲れや関節の痛みなどといった主観的な指標の評価に用いられています。本システムでは食品摂取前後に20項目程度の健康状態に関する質問対してVAS法による回答を求め、各項目の変化値を算出します(図A)。得られた変化値に対して多変量解析を行うことでデータを集約し、食品の摂取効果を俯瞰的に捉えることによって食品の持つ潜在的な機能性を見出します(図B)。
本システムは、特定保健用食品や機能性表示食品が求めるヒト臨床試験レベルではないものの、食品の持つ潜在的な機能性を見出すことに優れております。本システムを活用し、機能性食品分野への参入を目指す企業との共同研究を期待しています。
研究者
秋田県総合食品研究センター 醸造試験場 食品生物機能グループ 主任研究員 佐々木 玲
↓図はクリックすると大きくなります
問い合わせ先
秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp