公開日 | 2020-04-24 | ||||
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大分類 | ナノ・材料・ものづくり | 中分類 | 繊維加工 | 小分類 | - |
研究者 |
教授 |
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所属 |
秋田大学 大学院理工学研究科 共同サステナブル工学専攻 |
頂角を下にした円すいを水に浸し回転させると、円すい外表面に沿って揚水が生じます。水の場合には、膜状流れが形成され微粒化して液滴となって周囲に噴霧されます。一方、水より粘度の大きな流体では曳糸性(糸を引く性質)の影響により、円すい外表面には糸状の揚水が現れ、液糸となって放出されます。
図1(a)は、作動媒体が水(1mPa・s程度)の場合に回転円すい周りの膜状揚水を可視化した結果です。円すいの回転による遠心力の斜面上向き分力の効果により、円すい外表面に沿った均質な薄い液膜流が形成され、液が膜状に安定的に揚水されます。液膜の上昇に伴ない円すいの半径が増大するので膜厚がより薄くなります。
そのため膜状流は膜の状態を維持できず微粒化して円すい底部の縁で剥離し、液滴となって周囲に噴霧されます(図1(b))。一方、液体の粘度が大きくなると曳糸性の影響により液糸の形態で揚水されます。図1(c)は、作動媒体がグリセリン水溶液の場合であり、水よりも粘度(500mPa・s 程度)を大きくした場合の糸状揚水の様子です。糸状揚水では、液糸の筋が円すい壁面の周方向に規則的に現れ、外表面を円すい底部の縁まで上昇します。そして、揚水された糸状流は液糸として周囲に放出されます(図1(d))。
図2は、作動媒体として粘度の大きなPVA水溶液やグリセリン水溶液を用いた場合の結果です。円すい回りに糸状揚水が発生し、放出された液糸を2本の棒で絡めとることで繊維状になり、不織布製造機としての可能性を見出し特許を取得しました。その他にも、多様な応用が期待できるので、共同での研究を希望しています。
秋田大学 大学院理工学研究科 共同サステナブル工学専攻 教授 足立 高弘
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秋田産学官ネットワーク事務局
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