公開日 | 2018-03-20 | ||||
---|---|---|---|---|---|
大分類 | ナノ・材料・ものづくり | 中分類 | 素材・機械・航空・宇宙 | 小分類 | - |
研究者 |
《研究代表者》 |
||||
所属 |
秋田県産業技術センター 素形材プロセス開発部輸送機材料グループ |
近年、二酸化炭素排出量削減による環境負荷低減のため、自動車産業では軽量化による燃費向上が求められている。部材の軽量化手法の一つに金属材料の代替として樹脂部品の適用が進んでいる。超臨界発泡射出成形法は熱可塑性樹脂の軽量化技術として注目されている。窒素または二酸化炭素を発泡剤として用いる物理発泡成形であり、軽量化以外に寸法安定性の向上、型締力の低減といった利点がある。しかしながら、発泡による力学特性の底下や光沢性の消失等の課題があり、日本の自動車産業では適用例が少ない。
我々の研究は、自動車用軽量化部材の適用を目指して、本成形技術を確立することを目的としている。発泡により低下する力学特性を繊維材料(炭素繊維、ガラス繊維など)で補強し、軽量かつ高強度となる成形技術を検討してきた。これまで、未発泡の母材(ポリプロピレン、ナイロン等)と比較して軽量かつ高強度となる条件を得た。また、光沢性が消失する課題については、金型を急加熱急冷却することで転写性を向上させる技術(ヒート&クール成形)について検討してきた。その結果、未発泡の母材よりも光沢度の高い成形品を得ることができた。
近年では軽量かつ高強度な新材料として期待されているセルロースナノファイバー(CNF)複合材料の超臨界発泡射出成形に取り組んでいる。CNFは植物由来であり、リサイクル性が高いことから、熱可塑性樹脂の補強材としての利用方法が検討されている。超臨界発泡成形と組み合わせることで、軽量・高強度・環境負荷低減を実現できる成形方法の確立を目指している。
これらの技術の用途開発および実用化に向け、企業との共同研究を希望する。
秋田県産業技術センター素形材プロセス開発部輸送機材料グループ 研究員 野辺 理恵
秋田県産業技術センター素形材プロセス開発部輸送機材料グループ 上席研究員 工藤 素
↓写真はクリックすると大きくなります
秋田産学官ネットワーク
E-mail:collabo-akita@mail2.pref.akita.jp